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施設辛評

vol.06「グランリゾート 赤穂」

赤穂市は姫路市と岡山市の間の瀬戸内海に面した穏やかな土地です。「赤穂浪士」でしかその名を知らない方は多いと思いますので、今回はその他の色々な面もご紹介して、施設辛評というよりは旅行記としてお楽しみいただきたいと思います。

本来、東京から向かうには、新幹線で相生駅まで行き、そこからJR赤穂線で播州赤穂駅に向かうのですが、相生駅は「ひかり」しか停まらないので少々時間が掛かります。そこで、今回は、現地に着いてからの足も考えて、新神戸まで新幹線で行き、そこからレンタカーを借りることにしました。行きは山側から山陽道を通るルート、帰りは海沿いの一般道を通るルートと決めて、いざドライブに出発!

阪神高速からの山陽道に入り50~60kmくらい走った三木というところは、ドッグランからスタバまである大きなサービスエリアです。レストランから屋台の明石焼きまで食べ物も豊富なので、ここでちょっと休憩。あと半分くらいで目的地に到着です。赤穂といえば、やはり赤穂城。平城なので天守閣等はなく、もちろん城跡なので正直に言ってそれほど観るところはありません。そのすぐ裏手にあるのが大石神社。ここは明治時代、政府にようやく認められて赤穂浪士47士を祀って興した神社。義士宝物殿があり縁の品などが展示されていますが、地元の方曰く、赤穂浪士が好きなら近くにある花岳寺の方がお勧めとのこと。浅野家の菩提寺で結構主立った人達のお墓があるらしいのです。それらの観光名所を訪れるのもいいのですが、驚かされるのは桜の多さ。もちろんそれを狙ってこの時期に行ったのですが、町中至る所に桜並木があり、どこを撮っても絵になります。

町中の散策はこのくらいにして、ぼちぼち宿の方に向かいましょう。大通りの向かう先には遠目からでも美しい桜並木が続いていますが、そこから道を逸れて海沿いに赤穂御崎を廻ってみます。赤穂御崎には山の中腹に温泉旅館が数件あり、日本海軍が戦勝祈願に訪れた航海安全の神社や大石内蔵助が赤穂を立ち去るときに名残を惜しんだという「大石名残の松」などのちょっとした観光スポットがあります。神社からまっすぐ延びた階段は直接海岸まで続いており、そこから見下ろす瀬戸内海の眺めは本当に美しいです。それらを通りすぎてさらに山道を行くと、ここからは言葉に出来ないくらいスゴイ!桜並木なんてものではありません。桜の洪水です。「ソメイヨシノには野生種があったのか」と思うくらい山一面に桜の木があり、それらが一斉に咲き、次々に散っていく。そして、そのバックには瀬戸内海の青い海。赤穂って結構スゴイじゃん・・・。

感動しながら山道を降りていくと、グランリゾート赤穂に到着。案内板があるのですぐにわかります。建物は3階建てのこぢんまりとしたグランリゾートらしいたたずまい。泊まった部屋は海に面した部屋でしたが、その他に山側に面した部屋もあります。建物は古く、部屋は和室で、今どき鍵がオートロックでもカードキーでもなく、ちょっと壁にシミがあったりしますが、リフォームや清掃はキチンとされているので、深いな感じは全くありません。建物の裏はすぐ海です。夏の海水浴はもちろん、春は潮干狩りが出来ます。部屋に荷物を置いたあと早速砂浜に出てみましたが、拾った木の棒でほんの10分くらいザクザク掘ってみただけでアサリがコロッと出てきたりしたら楽しいと思いませんか。お金もかからず一日中遊べますので、お子さん連れのご家族などに特にお勧めです。

旅に出掛けたらやっぱり食事とお風呂は大事ですよね。グランリゾート赤穂は温泉ではありません。露天風呂もありません。それでもお風呂場も脱衣所も明るくてキレイなので、とても気持ちのいいお風呂です。もちろん温泉にこしたことはないのですが、私としては結構気に入ったお風呂でした。食事も同様です。当然のことながら、一流料亭の懐石料理並みとはいきませんので、唸るほど美味しいというわけではありませんでした。それでも、地産地消と季節を意識した美味しい食事で、食べる人を楽しませようという気持ちが十分に伝わる、心温まる食事でした。ちなみにグランリゾートで和室に泊まると、夕食の間にお布団を敷いてくれます。ほろ酔い気分で部屋に帰って布団にゴロンと横になれるのは嬉しいのですが、荷物を散乱させたまま食事に行くと、あとで恥ずかしいので気をつけて。瀬戸内海の海は本当に穏やかで、波の音も全く気になりません。ふとベランダに出てみるとちょうど月が昇り始めたところで、静かな海に映った月が本当にきれいでした。

翌日は海沿いの道を帰ります。途中にある坂越という町の牡蠣はブランドとなって全国に発送されているそうで、1月には牡蠣まつりなるものも開催され、グランリゾートでもその季節には牡蠣づくしのコースが設けられるくらい有名なんだそうです。お好きな方はぜひ一度どうぞ。坂越をを過ぎいったん海を離れると、突然秘密基地のような切り取られた山と無数の配管の中に迷い込みます。そこは関西電力株式会社と株式会社IHIの工場地帯で、ちょっとした探検気分が味わえますが、あっという間に海に出ると再びまったりとした雰囲気に戻ります。その先の金ヶ崎という岬にはその山の上に桜一杯の展望台があり、晴れ渡った日には瀬戸内海を遠く淡路島まで見渡せるのだそうです。また、つばき園が併設されており、お弁当を持った家族連れが一杯でした。そのまま姫路まで下道を通り、姫路から高速道路を使って神戸まで戻りました。朝のんびり出発しても午後1時過ぎ頃には神戸に着きましたので、思っていたより近かったなというのが感想です。神戸1泊と組み合わせてもよし、途中下車して姫路城を観るもよし、西播磨と呼ばれる地方、まだまだ沢山の発見がありそうです。

調査日
平成21年4月10日
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